① 何が起きた?
大学時代、海外の英語圏へ交換留学することになりました。それまで英語は日本でそれなりに勉強し、聞いたり話したりする練習もしていて、「ある程度は話せる」という自信がありました。しかし現地に着いて現地の学生と話してみると、相手の言っていることがよく分かりません。単語が聞き取れず、文の区切りも分からず、話すスピードも速く、学校で聞いていた英語とは違う発音や訛りもありました。
② 当時どう感じた?
「今、何て言ったのか」と会話についていけず、勉強してきたつもりだったのに実際の英語が理解できないことで、自信が崩れました。次第に人と話すことが怖くなり、積極的に外へ出るよりも、部屋にこもるようになっていきました。
③ なぜそうなったのか?
原因は、「自分は英語ができる」と思い込んでいたことでした。日本では、教材の英文が読め、授業の英語が聞け、練習すればある程度話せました。その前提が現地で崩れ、日本で練習していた英語と、現地の人が日常的に使う英語には大きな違いがありました。自信があった分、現実とのギャップも大きかったのだと思います。
④ そこから何に気づいた?
どれだけ練習しても、本物と対峙してみなければ、自分がどこまで通用するのかは分かりません。これは英語に限らず、仕事でもスポーツでも人間関係でも、「できると思っていること」と「実際の環境でできること」は別物です。ただ、本物の前でできなかったからといって、「才能がない」とすぐに結論づける必要はありません。また、すべてを理解できなければ会話できないわけではなく、「もう一度言ってください」と聞いたり、別の言葉で説明してもらったりすればよかったのだと思います。全部を理解することを目標にするから何もできなくなる、「分かる部分からやり取りする」という考え方もできると気づきました。
⑤ 今ならどうする?
今なら、新しい環境に入ったとき、最初から完璧に通用しようとしません。相手が自分より経験豊富でもひるまず、武道でいきなり黒帯と向き合うときのように、まず構え、相手の動きを見て、できることを試し、うまくいかなければまた考えて、もう一度向き合います。理解できる範囲から、一歩ずつ相手と向き合います。