① 何が起きた?
不動産管理の仕事で、テナントやオーナーからのクレーム対応を日常的に担当する時期がありました。就業時間外もスマートフォンの電源を切らないと気持ちが休まらず、就寝前まで対応内容を考え続けてしまうことが習慣になっていました。理不尽な要求をしてくる相手や、責任を押し付けてくるオーナーへの対応で、精神的に追い詰められることもありました。
② 当時どう感じた?
「自分の対応が悪いのではないか」「もっとコミュニケーション能力が高ければ、うまく対応できるはずだ」と、自分の能力不足のせいだと考え続けていました。社内からも対応について指摘を受けることがあり、余計にその思い込みが強まっていきました。
③ なぜそうなったのか?
今振り返ると、消耗の原因は「コミュニケーション能力」ではなく、「相手の感情をそのまま自分の中に取り込んでしまう」性質にあったのだと思います。クレーム対応は、相手の怒りや不満を最前線で受け止める仕事であり、これは会話がうまいかどうかとは別の負荷がかかる仕事です。
④ そこから何に気づいた?
クレーム対応が苦手なことと、コミュニケーション能力が低いことは、イコールではありません。むしろ、相手の感情を敏感に察知しすぎるからこそ、消耗しやすいという側面があります。必要なのは「話し方の技術」以上に、「相手の感情と自分の感情を切り分ける仕組み」でした。
⑤ 今ならどうする?
今なら、クレーム対応そのものを避けるのではなく、対応後に気持ちを切り替える時間を意識的に確保したり、一人で抱え込まず早めに周囲に共有したりすることを、最初から仕組みとして用意すると思います。